秋を感じる和歌①
秋の香りがほんのりする季節になってきましたね。8月下旬から9月上旬は初秋というらしいです。
さて、本日紹介する和歌はこちらです。
からくれなゐに 水くくるとは
現代語訳:様々な奇跡が起こっていたという神代でさえ聞いたことがないだろう。竜田川の一面に紅葉が広がっていて、真っ赤な紅い色に水を絞り染めているとは。
この歌は伊勢物語で有名な在原業平が詠んだとされています。皆さんも古典の授業で一度は伊勢物語を読んだことがあるのではないでしょうか。
平安時代屈指のモテ男です。
この歌は屏風歌と呼ばれるもので、屏風に添える歌として詠われました。
この歌はとても色彩感のあふれる歌です。
竜田川を人とみなす「擬人法」。
川に紅葉が流れる様子を、唐紅色に絞り染めにした、と見なす「見立て」。
普通の言葉の順序なら、唐紅に 水くくるとは 神代も聞かずになるところを逆にした「倒置法」。
など、さまざまなテクニックが使われています。
皆さんも自分の持てる全てを使って、目前に迫る秋を表現してみてはいかがでしょうか。あなたから出てくる言葉はきっと神代でも聞き及ぶほどの流麗な言葉でしょう。