夏を感じる和歌を紹介①

暑さが続いていますが、外を歩いていると鼻先をかすめる土の匂いに風情を感じます。


さて、今日は小倉百人一首にも取り上げられているこの和歌を紹介します。


春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたへ)の 

衣(ころも)ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま)


【現代語訳】

いつの間にか、春が過ぎて夏がやってきたようですね。夏にな

 ると真っ白な衣を干すと言いますから、あの天の香具山に(あの

 ように衣がひるがえっているのですから)。


神が降りたと伝えられる香具山を見て、女帝であった持統天皇が詠んだ和歌です。

和歌からも分かるように、平安時代は夏になると真っ白な衣を干していたんですね。山を背景に、翻る衣とはなんともお洒落な歌ですね。


私は入道雲を背景に、山を見ることが多いです。もしかしたら、この歌は衣を雲に例えているのかもしれません。


皆さんも、夏のけだるさにかまけていずに、景色を見て夏を楽しんでください。