夏を感じる和歌③
真昼に食べる氷菓が、身体に染み渡ります。身体の中から外へ向けて涼しくなるこの感覚はいつまで経っても好きです。
さて今日紹介するのはこの歌です。
恋するや 遠き国をば思へるや
このたそがれの 睡蓮の花
【現代語訳】
恋する人がいる遠い国のことを、黄昏時にこの睡蓮の花と思っています。
睡蓮の花は白い花を午後の未の刻(午後2時を中心とした約2時間)頃に咲かせることから、その名が付けられたといわれています。
咲いている睡蓮の花と共に遠き国にいる人は思いを馳せる。なんとも、ロマンチックな歌です。
睡蓮の花は夏の風物詩で、上野にある一面睡蓮が咲く様子は絶景ですね。単身で上京してきた方で、睡蓮の花を見ることがあるのなら、この歌を思い出してあの人へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか?