夏を感じる和歌④
台風が迫る今日の気温は肌を撫でるように涼しい。真夏であることを一夜の夢と忘れさせてくれる。
さて、本日紹介する和歌はこちら!
白鳥は 悲しからずや 空の青
海のあおにも 染まずただよう
【現代語訳】
白鳥は悲しいものだなあ。空の青にも、海の青にも馴染まず、ただただようだけだ。
作者の若山牧水(わかやまぼくすい)は自然を愛し、千本松原の景色に魅了され、静岡県の沼津市に移住しました。この歌は沼津市から見た海と空の間をたゆたう白鳥を見て詠みました。
壮大な青にも馴染むことのできない白鳥を悲しいものだという表現はなんとも趣深いです。
皆さんも経験はありませんか?
自分がいる集団の中で自分は青に馴染まない白鳥であると感じたことが。悲しいかもしれませんし、哀しいかもしれません。
しかし、自分の色を持ち青に受け入れられなくても、空をただよう姿は美しいと、私は思います。
個性は必ずしも馴染むものではないのかもしれません。
私は個性を持ち、この世界をたゆたうあなたを美しいと思います。